理想の恋人って!?
私は気合いを入れ直して歩き出した。右のかかとの靴擦れなんてまるで存在しないみたいに、背筋を伸ばして颯爽と歩く。そうして駅前のロータリーに着いたけれど、自動車は一台も停まっていなかった。晃一はまだ来ていないみたいだ。
「なんだぁ……」
足が痛いのに張り切って歩いてきて損しちゃった。
ため息をついて、カールさせた毛先を指に巻き付ける。
ヘアアイロンでこのカールを作るためにいつもより一時間早起きしたのだ。晃一だって遅刻しないで来てほしかった。
女の子を待たせるなんて、この時点でもう減点。晃一は私の理想の男性像から遠のいていく。
「何してるんだろう……」
そうつぶやいてロータリーの北側に視線を送ったとき、ダークブルーのSUVが滑り込んでくるのが見えた。目の前に横付けされ、助手席の窓が下がって運転席にいる晃一の姿が見える。
「ごめん、明梨、待たせたかな」
晃一が申し訳なさそうに言った。いつものカジュアルな格好とは違って、チャコールグレーのパリッとしたスーツ姿だ。それに合わせてか、ヘアスタイルもナチュラルながらきちんとしている。
なんか……ちょっとカッコイイかも。
でも、ま、ちょっとだけだし。
「なんだぁ……」
足が痛いのに張り切って歩いてきて損しちゃった。
ため息をついて、カールさせた毛先を指に巻き付ける。
ヘアアイロンでこのカールを作るためにいつもより一時間早起きしたのだ。晃一だって遅刻しないで来てほしかった。
女の子を待たせるなんて、この時点でもう減点。晃一は私の理想の男性像から遠のいていく。
「何してるんだろう……」
そうつぶやいてロータリーの北側に視線を送ったとき、ダークブルーのSUVが滑り込んでくるのが見えた。目の前に横付けされ、助手席の窓が下がって運転席にいる晃一の姿が見える。
「ごめん、明梨、待たせたかな」
晃一が申し訳なさそうに言った。いつものカジュアルな格好とは違って、チャコールグレーのパリッとしたスーツ姿だ。それに合わせてか、ヘアスタイルもナチュラルながらきちんとしている。
なんか……ちょっとカッコイイかも。
でも、ま、ちょっとだけだし。