理想の恋人って!?
「そう? でも、晃一、いつもと違って……なかなかいい感じだよ」
本当はカッコイイなんて思ってしまったけど、素直にそう伝えるのはなんだか悔しい。だって、晃一は私のこと、かわいいとかきれいだとか、一言も言ってくれてないし。それどころか、変な感じがするなんて言うし。
「いつもと違ってってのは余計だけどな」
晃一が左手で頬を掻いた。いつもと服装は一八〇度違うけれど、照れたときの仕草は同じだ。
その横顔を見ながら、私は微笑みそうになる頬を一生懸命引き締める。
私と晃一は……まさに幼馴染みの腐れ縁。子どもの頃から近所に住んでいて、小学生のときから遊び友達だった。もちろん晃一とだけ遊んだわけじゃない。そのうち高学年になって、いわゆる第二次性徴を迎えて、お互い相手が自分とは違う性別なんだって意識し始めてからは、あまり遊ばなくなった。中学生のときなんてわざと目をそらしたり、会わないような道を通って帰ったり。そうするうちに、別の高校に進学した。晃一はサッカーの有名校に、私は普通の高校に。家の近所でときどき晃一を見かけたけど、彼はいつもジャージとか、サッカーのユニフォームに膝丈のスポーツパンツとかを身につけていて、部活で疲れているのかスポーツバッグを背負ったまま無言で歩いていた。いつの間にか背が伸びて肩幅も広くなり、知らない男の子に見えて、近寄りがたく感じたものだ。
本当はカッコイイなんて思ってしまったけど、素直にそう伝えるのはなんだか悔しい。だって、晃一は私のこと、かわいいとかきれいだとか、一言も言ってくれてないし。それどころか、変な感じがするなんて言うし。
「いつもと違ってってのは余計だけどな」
晃一が左手で頬を掻いた。いつもと服装は一八〇度違うけれど、照れたときの仕草は同じだ。
その横顔を見ながら、私は微笑みそうになる頬を一生懸命引き締める。
私と晃一は……まさに幼馴染みの腐れ縁。子どもの頃から近所に住んでいて、小学生のときから遊び友達だった。もちろん晃一とだけ遊んだわけじゃない。そのうち高学年になって、いわゆる第二次性徴を迎えて、お互い相手が自分とは違う性別なんだって意識し始めてからは、あまり遊ばなくなった。中学生のときなんてわざと目をそらしたり、会わないような道を通って帰ったり。そうするうちに、別の高校に進学した。晃一はサッカーの有名校に、私は普通の高校に。家の近所でときどき晃一を見かけたけど、彼はいつもジャージとか、サッカーのユニフォームに膝丈のスポーツパンツとかを身につけていて、部活で疲れているのかスポーツバッグを背負ったまま無言で歩いていた。いつの間にか背が伸びて肩幅も広くなり、知らない男の子に見えて、近寄りがたく感じたものだ。