理想の恋人って!?
私は少し先を歩く晃一の背中を見ながら、相変わらずひりひりと痛む右足をかばいつつ歩く。ようやくレストランの入り口に着いたと思ったら、なんと晃一が入り口のガラス戸を引いて開けてくれた!
びっくりしてまじまじと見ていると、晃一が眉間にしわを寄せて言う。
「ほら」
「あ、ありがと」
あんなに早足で歩いていたのは、レディーファーストをしようとしてたからなんだ。ぜんぜんスマートなんかじゃないけど、男性からされた初めての気遣いが嬉しくて、つい頬が緩みそうになる。晃一の横を通りながら彼の顔をチラリと見上げたら、彼は照れたような怒ったような顔をしていた。
店内に入って案内係に晃一が名前を伝えると、すぐに〝予約席〟というプレートが置かれた窓際のテーブル席に案内された。係の人が引いてくれた椅子に座り、二人でメニュー表を見る。そこにはランチメニューが二つだけ。高いのと安いのと。もちろん、安い方でも普段私が友達とご飯を食べに行くような店よりずっと高い。
やっぱり安い方にしよう。
そう私が口を開くより早く、晃一がぼそっと言った。
「バイト代入ったから、奢ってやる。好きなのを頼みなよ」
びっくりしてまじまじと見ていると、晃一が眉間にしわを寄せて言う。
「ほら」
「あ、ありがと」
あんなに早足で歩いていたのは、レディーファーストをしようとしてたからなんだ。ぜんぜんスマートなんかじゃないけど、男性からされた初めての気遣いが嬉しくて、つい頬が緩みそうになる。晃一の横を通りながら彼の顔をチラリと見上げたら、彼は照れたような怒ったような顔をしていた。
店内に入って案内係に晃一が名前を伝えると、すぐに〝予約席〟というプレートが置かれた窓際のテーブル席に案内された。係の人が引いてくれた椅子に座り、二人でメニュー表を見る。そこにはランチメニューが二つだけ。高いのと安いのと。もちろん、安い方でも普段私が友達とご飯を食べに行くような店よりずっと高い。
やっぱり安い方にしよう。
そう私が口を開くより早く、晃一がぼそっと言った。
「バイト代入ったから、奢ってやる。好きなのを頼みなよ」