理想の恋人って!?
　晃一に訊かれて、私は彼と目を合わせる。

「そりゃあ、もちろん」

　ビール、と言いたいところだけど、実は私、ビールは苦手なのだ。あの苦みがどうもね。

　その気持ちを察したように、晃一がニッと笑う。

「オレンジジュースか」
「正解！」
「明梨は居酒屋でも、絶対に〝とりあえずビール〟って言わないもんな」

　晃一が言って飲みものを各自に配ってくれた。

「それじゃ、遠慮なくいただくよ」

　誠一さんがビールのプルタブを引いて、プシュッと小気味いい音を立てる。私はオレンジジュースの缶を開けて片手に持った。

「では、皆様、今日もお疲れ様です～」

　そうして三人で缶を持ち上げ乾杯をする。

　私がオレンジジュースを味わっている横で、誠一さんがビールをゴクゴクと飲み、勢いよく息を吐き出した。

「ああ、なんか生き返るなぁ」
「ホント、お疲れみたいでしたもんね」

　私の言葉に、誠一さんが頬を緩める。

「うん、でも、今こうして誰かとしゃべれていることがありがたいよ。一人だったら何も食べずに寝てしまいそうだから」
「そうなんですね……」
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