理想の恋人って!?
そうしてピザを食べてジュースも飲んだ私たちは、しばらく誠一さんと話してから、おいとますることにした。
「じゃあ、俺、着替えてくるから」
晃一が言って洗面所に向かい、リビングダイニングには私と誠一さんが残された。
誠一さんと二人きりで何を話そうかな……。
迷いながらチラッと見たとき、誠一さんがソファの座面の上を少し移動して私に近づいた。
「明梨ちゃん、きれいになったね」
「えっ」
誠一さんが右手を伸ばして私の頬にそっと触れた。
「あのっ」
「晃一に聞いたかもしれないけど、俺、彼女と別れたんだ」
誠一さんの手が私のサイドの髪をすき始め、私はどうしていいかわからずにその場に硬直していた。
「人の気持ちがあんなにあっさり変わってしまうなんて思わなかったな……。明梨ちゃんは?」
「え?」
「二年前の二月、俺にチョコレートを渡しに来てくれたのは、俺のことが好きだったからなんだよね?」
「あ、あのときは……」
「今も変わらない? 明梨ちゃんが心変わりしてないと嬉しいんだけどな」