理想の恋人って!?
 私が言うと、千春さんがホッとしたように表情を緩めた。

「あの、変なこと言ってごめんなさい。それじゃ、失礼します」

 彼女がくるりと背を向けて走り出した。晃一はとっくに更衣室に入っていて、ピッチには誰の姿もない。私はグラウンドに背を向け、ほかの学生に混じって出口へと進んだ。
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