一番好き
傷
谷口が見せた傷は、ほんの少し
見える傷口に過ぎない
もっと、奧に何かを抱えてて
少し見せてくれたのなら、この機会を逃したくない
誠也と龍だって、知らない
二人にすら見せてないものを俺に少しでも見せてくれたのなら
「将生」
「あ、誠也、龍…………」
「美姫だけ教室に戻ってきたから……………」
「あ~うん…………ごめん、心配かけて」
「どう、だった?」
誠也が、戸惑いながら気を使ってるのがわかる
「振られた」