一番好き







「美姫は休みよ」






「え?」






「風邪ひいてて、昨日も高橋くんに移さないように私と帰ったのよ




最近、風邪気味だったのに無理して学校行ってたから」








「な、なんで」






「はぁ?なんで?ですって?





あんたの事心配してたんでしょ?





最近、悩んでるみたいだって言ってたわ





でも、昨日美姫が言ったの





悩みの種は私かも知れないって」







「谷口……………」






一緒に帰った時も心配してくれてた





でも、俺は…………







「別れるの?」





「え?」







ドクッと心臓が嫌な音をたてる





別れ?






「美姫のことで悩んでたんでしょ?」






「違う……………、いえ、違わないですけど…………」







確かに、谷口の事で悩んでた





でも、それは好きだからで






別れるなんて








「美姫は別れる気なんじゃない?」







「え?」







「明日、学校来たら言う気かもね」










俺は先輩に何も言わずにその場を走り去った








会わないと






谷口と会って話をしないと







別れを切り出される前に








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