汝は人狼なりや?(※修正中。順を追って公開していきます)
 ──Ⅱ。《どちらかの種族が全滅した時点で勝敗が決まり、その時点で生きて勝った種族にのみ、この部屋から脱出する権利が与えられます。》


 まって。待って。この部屋の中──つまり、クラスメートの中に人狼が紛れ込んでいるっていうことが衝撃的すぎて、頭の中がめまぐるしくかき乱される。

 全滅ってなに?勝敗ってなに?
 〝生き残る〟って、なに?
 殺し合いって……なに……?

 人狼……?いるわけない。だって、ずっと同じ学校生活を過ごしてきたのに、人狼が紛れ込んでいるだなんて少しも思わなかった。誰かが人狼だなんて、疑いもしなかった。そんな素振りさえ、見たことがない……というのに……。


 ──Ⅲ。《人狼は自分の正体を自ら明かしても構いませんが、他の人狼の正体を明かしたり、人狼同士で手を組むことは禁止とします。ルールを破った人狼全員、強制的に排除します。》


 だ、だめだ。すごく混乱しているけれど、今は無理やりにでも【ルール】らしいこの文字をちゃんと読んで、頭の中に入れておかないと……。

 えーっと、つまり……この場にいるらしい人狼は、少なくとも〝ひとりじゃない〟っていうことだよね……?

 〝人狼同士で手を組むことは禁止〟という文章に、少しホッとする。人狼ひとりでも凶暴で恐怖の対象なのに、同時にふたり以上で襲ってこられたら……食い殺されるのをただ待つだけになってしまうから。


 ──Ⅳ。《殺害の方法、道具などは問いません。相手の息の根をとめるためなら、どんなことをしても構いません。存分に最期まで殺し合って、最後まで生き残りましょう。》


 殺害の方法や道具は、問わない……。
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