汝は人狼なりや?(※修正中。順を追って公開していきます)
〝両親の言うことは絶対〟だから。
少女は両親と同じように人間を襲い、両親と同じように血肉を喰らい、その人狼生を謳歌してきた。
人間たちに自分が人狼であることの正体が明るみになると危険だから、身を隠すようにも教育された。その方が人間を喰らうことの都合がいいし、この先、生きやすいから、と。
1度、少女は両親に問うたことがある。
「どうして正体が人狼だってバレると、危険なの?」
その時の両親の酷く濁った真っ黒い瞳のことを、少女は今まで1度たりとも忘れたことはない。
幼いながらに不思議だったのだ。
だって、人間は人狼にとってただの餌に過ぎないのに。
何も危険なことなんてない。
怯える必要なんて、ないのに。
自分たちの人狼である正体が、人間たちに明るみになったら〝危険〟?
自分たちの身が危なくなる?
それは、人間を喰らいそこねた時、正体が明るみになった時、易々とお前らに喰われないぞ、と、返り討ちにあうから……?
人間と人狼。その姿は似ているのに、擬態と称して人間と同じ姿になって生きているというのに、そもそも、どうして人狼は人間を喰らって生きている……?
色々な疑問が頭の中で浮かんでは消えていく中、ふと、両親の酷く濁った真っ黒い瞳のことも浮かんできて、少女は恐怖のあまりに追求することをやめた。
──ただ、自分のしている行いが、本当に正しいことなのかという疑問だけを残して。
少女は両親と同じように人間を襲い、両親と同じように血肉を喰らい、その人狼生を謳歌してきた。
人間たちに自分が人狼であることの正体が明るみになると危険だから、身を隠すようにも教育された。その方が人間を喰らうことの都合がいいし、この先、生きやすいから、と。
1度、少女は両親に問うたことがある。
「どうして正体が人狼だってバレると、危険なの?」
その時の両親の酷く濁った真っ黒い瞳のことを、少女は今まで1度たりとも忘れたことはない。
幼いながらに不思議だったのだ。
だって、人間は人狼にとってただの餌に過ぎないのに。
何も危険なことなんてない。
怯える必要なんて、ないのに。
自分たちの人狼である正体が、人間たちに明るみになったら〝危険〟?
自分たちの身が危なくなる?
それは、人間を喰らいそこねた時、正体が明るみになった時、易々とお前らに喰われないぞ、と、返り討ちにあうから……?
人間と人狼。その姿は似ているのに、擬態と称して人間と同じ姿になって生きているというのに、そもそも、どうして人狼は人間を喰らって生きている……?
色々な疑問が頭の中で浮かんでは消えていく中、ふと、両親の酷く濁った真っ黒い瞳のことも浮かんできて、少女は恐怖のあまりに追求することをやめた。
──ただ、自分のしている行いが、本当に正しいことなのかという疑問だけを残して。