嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?


釜井さんが契約社員だから私を見下しているのは薄々感づいていたけれど、彼女の尻拭いをするのが私の契約ではないし。

「コネ入社って本当だったんだ。契約のくせに偉そう」
釜井さんの隣で黙っていたもう一人が私の背中に向けて投げつける。

「しかも、前回の名前が分かりずらかった段ボールの件もわざわざ副社長に見せつけるように残業しちゃってさ。やり方が露骨なんじゃない?」
もう一人の人のネームプレートには『笹山』と書かれていた。
釜井さんはゴージャス系の美人だけれど、この人も育ちの良さそうなお嬢様系の綺麗な人だ。
そんな人が釜井さんの取り巻きの様に私を責め立てている。

「ねえ、その指輪って副社長に貰ったとか言わないわよね?」
納得できなさそうな声で、半笑いを浮かべながらそう釜井さんに尋ねられた。

「……貴方に関係ないです」

投げやりの答えると、明らかにむっとされた。

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