嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?


「不破。お前なら事務仕事慣れてるだろ」

「いいえ。コネだの契約社員だの散々馬鹿にされたので私は失礼します」

紙袋をテーブルに乱暴に置いて踵を返そうとしたら、新さんが鼻で笑うのが分かった。

「今帰れば図星だと言われるぞ」

「……でも手伝いたくありません」

「俺はお前がコネだの契約だの言われても実力を知っている。知りもしない奴等に好きに言われても、ちゃんと俺が分かってる。いちいち揺さぶられるな」

「…………」

ずるい。
そんな言い方ずるすぎる。

「まぁ違う部署の奴等は分からないからそんな噂してしまうんだよ。親睦会と言う名の飲み会をまたしなきゃだな」

スーツの上着を脱ぎ、腕捲りしながら新さんが言うと二人は頬を染めた。
新さんが良い事を言ってくれたのに聞いてない感じがまだ溜飲を下げないけど、新さんは確かに絵になるから仕方ないか。
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