嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?
六、自分に否定的で、嘘つきでした。
心がもやもやする。
紡さんの言葉が――私が逃げていたものを見ていてくれていたと分かっただけで落ち着かない。
落ちつく訳がない。
さっきから何度も鳴る電話は、新さん。
そう分かっているのに、苦しくて電話が出られなかった。
契約社員だからとただただ仕事を頑張ろうって、思った。
どちらかと婚約だなんて、心の中で否定していた。
オシャレじゃない?
契約社員という立場?
可愛くない性格?
そんなの全部、自分が努力して来なかっただけじゃない。
お婆ちゃんがデザイナーなのだから、オシャレを相談できる人が周りに居なかったわけじゃない。
ただ、女子大はお金持ちでブランド品ばっか持ってるお嬢様ばっかりで、勝手に自分と比べていじけてしまっただけ。
コネで就職が決まった御令嬢達を見て、就職だってやる気が起きなく結局自分自身、おばあちゃんのコネだったくせに。