鏡の中
繋がらない
志は心配して、大学でもそわそわしていた。
いつもなら必ず連絡を入れてくる那が…メールすらよこさない。
朝変わった様子はなかったのにな、と考えをめぐらせる。
「だあーもお!」
もやもやしていると、不安しかでてこない。
そんなときは帰るに限る。
「悪いけど、次の講義の出席名簿回ってきたらさ、俺のとこにもチェックしといてくんね?」
少し困った表情で、隣にいた女に声をかける。
この女には、前にも頼み事をしたことがある。
「お願いできないかな?」
ちょっと微笑みかけると、その女は耳まで赤くしてただただ首を縦に振った。
「ありがと。」
女に名前を書いた紙を渡し、急いで駅へと向かった。