鏡の中





ピンポーン

さっきからインターホンの機械的な音が耳につく。




仕方なく春を追い払って那は、玄関へと急いだ。




そこに立っていたのは…志。




「ゆっきー?」


「お前さ、勝手なんだよ。」




玄関で固まっていた那を抱きしめる志。





「…んで話し合おうとしねーんだよ。俺らは愛し合って、話し合って、慰め合って、指摘し合って、そおやっていろいろふたりでし合うんじゃねーのかよ…」

「…」

「独りよがりはやめろって約束しただろ」




腕の中は…とても暖かい。




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