鏡の中
それから那の部屋で愛を確認するように、お互いを求め合った。
那の不安はまだ消えないけど、志が那を求めるときの声に嘘は見えなかった。
肌と肌が触れ合っている状態で、那は考えた。
…志の横顔を見て
いずれ離れなければならないのなら、まだいいじゃないかって。
志をいずれ傷つけることになるのなら、先延ばしにしたっていいじゃないかって。
…神様ごめんなさい。
すっかり暗くなった外を眺めて、神様に謝罪をした。