鏡の中





いつものように、愛し合ったあと二人は眠りについた。




しばらくすると、志は再び夢を見る。






―――――
―――




那が泣いている。


まっくらな部屋…どこかで見たことあるような、そんな部屋で那は泣いていた。




静かに…



涙を拭うことなく。





床は堅そうで、横たわっている那はひどく痛々しい。






抱きしめてあげたい、という衝動に駆られる。




必死で手を伸ばすが届かない。




那は…





< 135 / 142 >

この作品をシェア

pagetop