鏡の中
キスを長くしてる最中に志は思った。
(俺の18歳のときの記憶…いつかなくなるんだろうな。)
漠然と、だけど強く思った。
そして、自分が飛んできてしまったわけと、そしてこれから先におこるであろうことを、考えた。
カレンダーが目に入り、ハートで囲まれた23の数字をみつける。
記念日なんだろうことは安易に想像できた。
冬だったはずなのに、そのカレンダーは6月をさしていた。
やはり未来は未来でもさまざまなことが変化を遂げている。
「考え事?」
なきそうな顔をして那は志をみつめた。
志は大切なことを考えていたのに、すっかり考えるのをやめて那を夢中でいただいた。