鏡の中
支度をして、那よりもちょっと早めに家を出る。
今日は月曜日だから、志は1限から学校がある。
ちゃっかり那は履修の仕方がうまい。
あくびをしながら、バイクを飛ばす。
バイクで学校の最寄り駅まで行き、バイクをとめてから、学校まで歩いていく。
通いなれた道は、とても穏やかで人通りが少ない。
学校へ向かう生徒以外の人はめったにいない。
そんな家から40分ほどの距離にある大学は、お金持ちのイメージがついた名門私立だった。
もちろん親が決めた学校。
志は受験勉強なんてしたくなかったから、めんどくさがりな志にはよかったのだろう。
さすがに学校を4年間以上通う気もないので、単位を落とさないように真面目に学校に通った。
…かざらないけど、派手でもない、志に似合った格好で。