鏡の中
いつも通り、講義を受ける。
媚を売ってくる男もいれば、目の敵にする男もいる。
自分を売ってくる女もいれば、俺を毛嫌いする女もいる。
みんな俺の捉え方は一緒だけど、その後の対応がまったく違う。
俺はそんな平穏で、もう慣れてしまった大学生活をのんびりと過ごしていた。
友達もいる。
部活にも入ってる。
先生からの人気と信頼はあつい。
帰れば、愛する人もいる。
特に気になることもなかった。満足していた。満ち足りていたんだ。
進路はもう親が決めていたし、俺の日常は本当にゆったりとしていた。