鏡の中
私が抱えてる秘密…。
あの男が全部知ってる。
私が今こうして20歳として、生活しているのはあり得ない事実だ。
志に叫びたかった。
本当にしっかりと1年を歩んでいたら、私たちは出会っていなかったのよって言いたかった。
でもどうして言えよう。
…口が裂けてもいえないんだ。
私が17のとき。
笑えるくらい似合わない私のピンクの鏡を持ったあなたが、図書室へ入っていく姿。
たまらなくなった。
返して欲しいからではない。
ただ愛しかった。
神様に感謝をしたんだ。
私の鏡をあなたが拾ってくれたという事実が、本当にうれしかった。
もう運命としか思えなかったんだ。