鏡の中
過去
高校一年生。
どきどきしながら、教室に入った。
そこには、同じような目をした人がたくさんいた。
みんな新しい世界にどきどきして、興味を持った、そんな目だった。
「初めまして。」
いきなり声をかけられて、びっくりして那は声をあげてしまった。
「えっ…あっ初めまして。」
ふふふっと笑う女の子は、日本人ばなれした顔立ちだった。
「あなた、かわいいのね。気に入ったわ。」
そしていきなり那を抱きしめた。
「私、桃井潤(じゅん)。」
那を放して、花のような笑顔で笑った。
「私は、北本那。」
那が照れて笑うと、潤はまた那を抱きしめた。
「ほんとかわいいねー!」