鏡の中
それから時は過ぎ、クラスの仲を深めようという親睦会ならぬものが準備され始めた。
その行事は、クラスで一つのテーマを決めて、着衣を創作し、一組の男女がその着衣をまとい、学年でどれが一番素敵かを競う…いわばミスとミスターを決めるようなものだった。
必ずあるらしいこの行事は毎年行われている。
生徒は面倒だと言いながらも、結局は楽しんでいる。
そして何より、クラスがまとまるというメリットもあるから、学校側は時間がなくてもこの行事を行うようにしている。
そんな那のBクラスでは、クラス委員が詳細を説明した後、何をやりたいかなどの意見をとった。
一般的なものとしてあげられるのが、ウェディングだったりするわけで。
もちろん男女がやるものなのだから、自然と誰がやるかをイメージしながら意見は出されていく。
「じゃあ、この中から決めたいと思います。」
クラス委員がそういって黒板を指した。