鏡の中
忘れられない出来事
5月になり、準備は着々と進められていった。
その行事が7月のちょうど夏休み前であり、テスト後なわけだから、準備ができる時間が少ししかなかった。
そのため、生徒は忙しそうに今日も打ち合わせをし、実行委員を中心にそして裁縫ができる人もそれを手伝いながら、進めていっていた。
そんなある日。
「今思えば、着物を作ろうとしてるわけじゃん?でも着物を作るなんて、もちろん無理なわけだから、どう作り上げるかが問題だよね。」
ううんと頭をひねっているのは、潤。
実行委員に立候補して、頑張って作業を進めている。
「季節はずれでもあるわけだし…夏バージョンにかえるってのはどう?」
身を乗り出して、まるで子犬のように飛びついてきたのは、恭。
潤と一緒に仲良く実行委員をしている。
「夏バージョンねえ…。」