鏡の中
「ふーゆっ!できたよ!」
「…こんな…短いの?」
潤に手渡された衣装に少々驚きながらも、仕方なく那は袖を通す。
「うん、文句なし。よっし!いってこーい!殿のところへ…くくっ」
自分で言って自分でくすくすと潤は笑って、那の背中を押した。
恥ずかしかった。
ずっと前のことのように思えたけど、想いを伝えられたその日から自然と那は彼を目で追っていた。
追えば追うほど、彼の輝きに惹かれていく那がいた。
想いはつのっていた。