鏡の中
「お披露目ターイムっ!」
そう言って会場である体育館の下にある更衣室で、ふたりはあった。
息を呑むほど…素敵だった。
まさに…そう。人形。
お雛様だった。
男の張り付く目線。
女からのねたみの視線。
那には息苦しかった。
女の黄色い歓声。
男からの羨むような視線。
京介は鼻高々だった。
京介は…そう那の想いには気づいていたし、もう今日で手に入れられると思っていたから、余裕しゃくしゃくだった。