鏡の中
忘れられない目
泣きながらうつむく那を見て、時がきたのだとわかってしまった。
俺は…夏休みが明けてからの那の様子を不思議に思った。
デートをしていても、元気がない。
愛を囁き、セックスをしても、俺だけが舞い上がっているとしか思えなかった。
その疑問は次第に不安へと変わった。
那が…クラスで俺を避けるようになった。
そっけない。
それだけじゃない。
すごく…無理をしていた。
メールも電話も…しなくなった。
だから…もうだめなんだと、思った。
那だけは…那だけは…俺を飽きたら捨てるなんて女じゃないと思ってた。
京平の那への愛情は、次第に怒りへと変わっていた。