鏡の中




だからあっという間に過ぎていった。





進路はもう決まっていたから3年になっても悩む種はなかったし、部活でも思い残すことなく引退ができる。


バイトは順調だったし、クラスのみんなとも打ち解けた。




でも…職員室に行くときに、通る3年生の教室の前。



先輩に絡まれるのも嫌だった。



でも何より心苦しかったのは、図書室での彼を見つけてしまうからだった。




教室にいるときの彼は、どこか野暮ったく、他の3年生とは雰囲気が違うものだった。


しかし、那の目を掴んで放さない。




すごく…つらかった。



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