鏡の中
彼を想うことしかできない…そんなある日だった。
職員室に行く前にトイレに行きたくなり、仕方なく3年生の階にあるトイレを使う。
その時、那は担任に預かったプリントと、髪の毛を直すためにもってきた鏡を持っていた。
でも、気づいたときには鏡はなくなっていた。
なくしてしまったんだと、すごくショックだった。
お気に入りの鏡だったから。
この鏡が、まさか…憧れの彼と近づけるチャンスになるなんて思いもしなかった。
そして、その出会いが…那の運命を変える。
でもそのチャンスは…那にとってはもう運命としか言いようのない事実だった。