晴れ、のち晴れ

二人は頂きます、と丁寧に手を合わせた。あたしも二人を見習って手を合わせる。

夢香は梨羽の皿を取ると、そこにピザをのせた。

「はい、どうぞ」

「あ、ありがと…ございます」

変な気分だ。友達とも呼べないような関係の男とその妹と、のん気にピザを食べているなんて。

しかも二人はお坊ちゃんとお嬢様なのだ。

「お前、中三なんだろ、受験はいいのかよ」

葵がじっとあたしを見つめる。

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