晴れ、のち晴れ
葵たちはまだ学校だろう。
学校をサボるなんて、想像出来ない。
でも、もしかして、という気持ちがなくもなかった。
高級住宅街を、中学校の制服のまま歩くというのは、妙な気分である。周りの視線が気になるというか。
家の前に付けられた監視カメラを見て、お、という気持ちになった。
こんなに監視されて、ここに住む人たちは疲れないのだろうか。
そんなものより安全の方が大事なのかもしれない。
あたしは、ろくに鍵の掛からない、住んでいるボロいアパートのことを思い出した。
たしかに、あそこには、誰かに盗られて困るようなものもなければ、監視する必要もない。
でも、その分気楽だ。