晴れ、のち晴れ
「…葵か夢香の知り合いというのは分かった」
芳一は複雑な表情をしてあたしを見ている。
何かまずいことでも言ったのだろうか。
もしかして夢香の気持ちを知らなかったとか。だけど、さっきの反応はそういうものじゃない。
「葵は深夜、夢香も夕方にならないと帰って来ないが」
「あんたは、夢香のこと、どう思ってるわけ?」
あたしの唐突な質問に、芳一は動きを止めた。
「それは今答えなきゃいけないことなのか?」
「だって気になるし。夢香ってかわいいし、優しいかどうかはちょっと悩むけど、でも悪い奴じゃない。でも、あんたが好きじゃないのは、なんでなのかな、という純粋な興味」
あたしは芳一の目をじっと見つめた。