晴れ、のち晴れ

放課後、男子が窓の外を見て、騒いでいる。

「校門のとこにいるの、誰の彼女だよ」

「つーかあれ、高校生じゃね?」

「ひゅー」

校門のところで誰かが誰かを待っているようだ。

あたしも横目で盗み見ると、白いセーラー服の女の子が立っている。下校中の生徒が不思議そうに彼女を見ていた。

見覚えのあるシルエットだ。

夢香!?

あたしは鞄を引っつかむと、走って階段を降りた。

校門のところに立っている夢香はあたしに気付くと、微笑んで手を小さく振った。

「良かった、梨羽さんがいなかったらどうしようかと」

「ど、どうしたの、こんなとこに…」

「あら、梨羽さんの方が尋ねてきて下さったんじゃ?」

おっとりと夢香は首を傾げた。確かに昨日尋ねたのはあたしである。だけど、まさか夢香の方から尋ねてきてくれるとは思わなかったのだ。

「あら。もしかして、お兄様の方が目的だったとか…それなら申し訳ないことをしてしまったわ」

「いや、別にそういうわけじゃないんだけどっ」

あたしは慌てて両手を振った。
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