晴れ、のち晴れ

葵は麦茶と共に剥いたりんごを持ってきた。

りんごはなぜか全部皮が耳の、うさぎりんごになっている。

律義な奴だ。

「すぐ食べられそうなもの、りんごしかなかった。」

「りんごの皮って農薬にまみれてるんだぜ」

「じゃあ食うなよ」

あたしの言葉に、葵が嫌そうな顔をしながら、りんごを頬張った。

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