晴れ、のち晴れ
「よくわからないよな、女心って」
葵の言葉に隣の梨羽が麦茶を吹きそうな勢いでむせた。結局週三で勉強を教えることになったらしい。すべて葵を挟まずに話が進んでいるので、夢香に言われるままだ。
「どうしたんだよ、急に…」
「いや、夢香のことがよく分からないな、と思って」
「あー…うーん…あー…仲いいよな、お前ら」
「そうか?」
「いや、あたし兄弟いないから、比較できないけど。なんとなく」
中学生に相談するような話ではないと思いつつ、自分よりも梨羽の方が年も近く、同性ということもあって、何か気づくことがあるかもしれない。
夢香も難しい年頃なんだろう。
「つか、お前夢香のことどう思ってるわけ?」
「どうって…妹」
「そうじゃなくて、性格とかの話だよ」