晴れ、のち晴れ

何か用があるのかと、待っていたが、結局笹木野は学校へ着くまで一言も喋らなかった。

変な奴。

あたしは下駄箱で友達と話している笹木野を置いて、教室へ入った。


教室に入った途端、視線が集まる。なんだなんだと思いながら席へつくと、斜めの席の男が振り返り、はよと朝の挨拶をした。

珍しいと思いながらあたしも返す。

すると、今度は気弱そうな女の子二人組があたしに近寄ってきて、おはようと言った。


おかしい。何かおかしい。


あたしは内心そう思いながらも、二人組の挨拶に出来るかぎり爽やかに挨拶をした。

教室内に、あたしへべたべたとまとわりつくような空気が流れている。

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