硝子の檻。
3.貴方の心臓。
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「それで?仲直りできたの?」
「うん。あの後一緒にケーキ作った。」
「ケーキ…。」
私は今、友達の撫子と一緒にカフェにいる。
もちろん、けーちゃんには報告済だ。
「よーくやってられるわ…
あたしだったら息が詰まりそう。」
そう言いながら、撫子はコーヒーをすする。
「それでいいの。」
「?」
「息が出来なくなるくらい、距離が無くなればいい。
お互いの肺を、お互いで満たせれば……それでいいの。
それで死ねたら、私は…
私達は、幸せだよ。」
彼が死を恐れるなら、それを幸せなものにしてあげたい。
一人でなんか死んであげない。
私以外に貴方を殺させてなんかあげない。
お互いがお互いの心臓であるために、
私達は一緒に死ななきゃいけないんだ。