硝子の檻。
「けー…ちゃ、…ッ!
けーちゃんッ!けーちゃんッ‼︎‼︎」


彼の、顔が見えなくて。



私は必死に彼の名を呼び、抱きしめて存在を確かめた。





けれど、それは振り払われて。





「うぁッ……」


私の髪を掴んだけーちゃんは、そのままずるずると、私を寝室に連れていった。




押し倒され、私の首に添えられた、けーちゃんの両手。



とても、冷たい、けーちゃんの両手。



「ッなんで…!

どうして何も言わずに…!

あれだけ言ったのにどうして…!?」


私の頬に、けーちゃんの涙が伝う。
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