硝子の檻。

苦しい、苦しいよ、けーちゃん。





けーちゃんが泣いてると、私も苦しいよ。




冷たい彼の手を、少しでも温めたくて。


彼の両手に、私の手をそっと添えた。




「ッ…！」


見開かれる、けーちゃんの目。


何かに気付いたように怯え、私の首から手を離した。



「ごめ……ッ

す、い……ッ

俺今何をッ……」



自分の顔を手で覆い、必死に何かを呟くけーちゃん。





『愛人の子』
『いやらしい』
『あんな子が跡を継ぐなんて…』
『急いで捨てた方がいいんじゃない？』
『いや、いっそ殺しましょう』
『殺せ』
『コロセ』



殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ
コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ










『お願い、圭介…

母さんと一緒に、死んで……』