赤い椿、白い椿
一本の電話
すると、一本の電話がかかってきた。
それは、父からだった。
『あのな、母さんが事故に巻き込まれたんだ。だから、病院に運ばれた。いまから、父さんが迎えにいくから支度をしろ』
「わかった」
葵は、電話を切った。
急いで支度をした。
しばらくして、父の車がやってきた。
明彦は、車の中で詳しく説明した。
「母さんは、父さんと離れてあるいていた。父さんは、母さんに追い付こうとした。だけど、追い付けなかった」
明彦は間をあけて
「それから少したって母さんが事故に巻き込まれたんだ」
葵は言葉を探した。
でも、見つからなかった。