赤い椿、白い椿


しばらくして、病院に着いた。

病室にいくのかと思ったら違う場所。
そこは、ドラマとかで見たことのある部屋だった。

明彦は泣いた。葵も泣いた。
楓は死んだのである。

「お母さんに椿を見せたい!」

突然言い出した。


「母さんに見せても返事はくれないぞ?」

「わかってる。そんなこと。でも、あたしが大切に育てた椿をお母さんに見せてあげたい!!」

「わかった。今からいこう」

明彦は急いでその部屋から出た。

「待っててねお母さん。すぐ戻るから!」

葵は走って明彦のもとに急ぐ。


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