生贄投票
「分かんないよ。分かんないんだけど、何かそんな気がすんのよ」


涼子は声を荒げる。美奈都はそれ以上何も言えなくなってしまった。


ほんのわずか沈黙の時間が続く。


「あのさぁ……」


口を開いたのは亜夢だった。


「何?」


美奈都が亜夢を見つめる。


「昨日からずっと考えてたんだけど……」


亜夢はそこまで言って、言葉を切った。
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