生贄投票
環奈は学校を早退して、家路を急いでいた。
もちろん急いで歩いている最中も、許しを請うのタップは続けている。
100万回もタップしなければならないのだから、呑気に授業を受けている場合ではない。
一刻も早く自宅に戻り、誰にも邪魔されない環境で集中してタップしなければならないのだ。
それにしても……クラスメイトの数は36人。
そして自分に投票したのは9人だから、何と得票数は実に全体の4分の1にあたる。
まさか自分がこれほどまでに、みんなから嫌われていたとは、ショック以外の何ものでもなかった。