生贄投票
「お母さん手伝ってくれるの?」


「当たり前じゃない。カンナにだけ辛い思いなんてさせないわ」


「有り難う」


「カンナにもしものことがあったら、お母さんだって生きていけないもの」


その言葉で、また環奈は涙ぐんでしまった。


「じゃあしばらく頑張ってなさい。お母さんは夕飯の支度をしてくるから」


早百合は優しく微笑む。


「うん」


さっきまで不安で泣いていた環奈に、ようやく希望の光が見えた。
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