生贄投票
「これって数字がデカイから分かりづらいけど、真面目にやってるの10人くらいじゃん」


「嘘! そんなはずないわ!」


だってみんな約束してくれたのだから……。


「じゃあちょっと書き出してみるね」


孝史は電話機の近くにあるメモ用紙を持ってくると、自分のスマートホンを電卓にして、計算を始める。


「最初のヤツが1582回、次の江留ってヤツなんか、1回もやってないぞ」


「嘘でしょ?」


孝史がすべてのクラスメイトの押した回数を書き出すと、真面目にやっているのは、環奈に投票した9人と、それ以外では4人だけだった。
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