生贄投票
とはいえ、今はどうすることも出来ない。


とりあえず自分のカウントを減らすだけである。


「なぁ姉ちゃん」


「え?」


「明日俺がずっとやっててやるから、姉ちゃんは学校に行って、みんなと話をしたほうがいいよ」


「本当に? ずっとやっててくれるの?」


「うん。姉ちゃんのぶんは、俺がちゃんとやってるから、姉ちゃんは学校に行って、みんなに頭を下げてやってもらわないと、このままじゃノルマが達成出来ないからさぁ」


「うん。そうだね」


「他のヤツらは10万回だから、明日から始めたって充分間に合うから、喧嘩腰に責めるんじゃなくて、ちゃんと頭を下げて頼めば、きっと大丈夫だよ。

でも、俺たちはかなり頑張らないと、コイツは減りそうにないからさぁ、今日は交代で寝て朝まで頑張ろうよ」


「うん」


おそらく一人だったら、さっきの進捗状況を見て、みんながやっていないことを知った段階で、気が狂ったように叫んで、暴れたに違いない。

環奈はそう思った。
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