生贄投票
二学期の開始とともに、担任になった二階堂ありさは、大卒一年目の新任の教師が、担任を持つという異例の大抜擢に応えようと思ったのだろう。

歳が近いこともあって、やたらフレンドリーに接してきて、正直ウザかった。


元々体育会系で、テニス部の副顧問をやっているのもあって、やや熱血タイプ。


まぁ、そういう意味では、元の担任の室岡先生と似たところはあった。

だからこそ逆に、アタシたちは二階堂ありさを認めたくなかったのだ。


ほとんど無視されているにも関わらず、毎日毎日笑顔で接してくるウザい女。

さっさと諦めて、投げ出せばいいのに、しつこいったらありゃしない。

一か月そんな状態が続いていた。
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