生贄投票
発端はテニス部の高橋明里と、テニス部副顧問の二階堂が、楽しそうに話をしているのを見かけたことだった。


アタシは翌日、明里を責めた。


それに対して明里は、部活中は露骨に無視すると、先輩たちに責められるので仕方がなかったと釈明したのだ。


一年生のとき、違うクラスだった明里には、アタシたちほど室岡先生に対しての執着がなかったんだと思う。


でも、もちろんそんなこと許せるはずがない。


「クラス全員を敵に回したくないのなら、今から二階堂に、二度と話しかけないでって行って来い」


アタシは明里にそう命令した。
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