生贄投票
二階堂先生は、おそらく死ぬ直前に、アタシのことを思い出しただろう。


そう思うと苦しくてたまらない。


何であんなことを言っちゃったのだろう。

あの日……


涼花をやり過ごした後で、もう一度先生に謝りに行っていたなら、先生は自殺したりしなかったのだろうか……。


もしアタシのアレが、先生の自殺の原因なら、きっとアタシが生贄に選ばれるまで、この投票は終わらないのかもしれない……。


そんなことをずっと考えているから、明里は許しを請う為のタップを、全然する気になれなかったのだ。
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