生贄投票
とりあえず顔を会わせたくないので、美奈都たちをやり過ごしてから、ゆっくりと校門をくぐる。


どうすればみんなが協力してくれるのだろう?


重い足取りで校舎に入ったところで、同じクラスの香川怜に出くわした。


怜はキックンと付き合っていて、キックンに対して淡い恋心を抱いている環奈は、あのとき怜がいなくなればと思って、怜に投票した。


そういう意味では、逆に会いたくない相手である。


「おはよう」


環奈が自分に投票したことを知っているはずなのに、怜のほうから挨拶をしてきた。
< 207 / 827 >

この作品をシェア

pagetop